[メイン2]   :

[メイン2] 坂田銀時 : ハァ、ハァ…肩で息をしながら、事件の起きた密室へと戻ってきた。あのガキは途中でどうにか撒いた…今のうちに、隠滅しよう、そう思ったんだが

[メイン2] 坂田銀時 : ダイイングメッセージが残ってやがる…!あのジジイ、ケツの血で書きやがったんだ!全然気が付かなかったが!しかもそれがよ!

[メイン2]   : 『アホの坂田』

[メイン2] 坂田銀時 : ってどういうことだ!誰がアホだクソったれ!随分余裕あんなアホジジイ!

[メイン2] 坂田銀時 : まあそんなわけで、今急いで床を磨いてるんだが…血が!乾いてる!

[メイン2] 坂田銀時 : つーかよく見たらなんかメッセージに続きがある!ようこそ……『男の世界』へ……ってなんだそりゃあああ!!!テメエのケツなんぞ掘ってねえんだよオオオオオ!!!

[メイン2] 坂田銀時 : 「ハァ…ハァ…ちくしょう、こうなったら床を砕くしかねえ!ゴキブリ湧いたってことにすりゃあいいだろ、よし、行くぞ、いーち、にーい、さーん!」

[メイン2]   : カツ…カツ…カツ…

[メイン2] 坂田銀時 : 「ヒイッ!まだなんにもやってませんよ!俺はこんな血文字なに指してるのか全然わかりませんよ!」

[メイン2]   : 「……やっぱりそうなんだ」

[メイン2] 坂田銀時 : 怯えながら周囲を見渡す

[メイン2] トガヒミコ : 「貴方、殺人鬼でしょ?」

[メイン2] 坂田銀時 : 「は?え、ちょっと待って、俺は殺ってねえって!俺はただ、女をナンパしてただけで、それに怒ったあのジジイが勝手にこけて槍がケツに刺さっただけだ!」

[メイン2] トガヒミコ : 「別に誤魔化さなくたっていいじゃない」

[メイン2] トガヒミコ : 「だって、貴方からはむせかえる様な血の匂いがする…」

[メイン2] トガヒミコ : 「これ……」

[メイン2] トガヒミコ : 「”今”の匂いじゃないね」

[メイン2] 坂田銀時 : 「オイオイオイ、人の過去を勝手にわかったような気になるんじゃねーよ、そんなんじゃ友達無くすよ?」

[メイン2] トガヒミコ : 「そっか、残念だなあ…」
ふらり、身を揺らし

[メイン2] トガヒミコ : 瞬間

[メイン2] トガヒミコ : 凶刃が襲い掛かる

[メイン2] 坂田銀時 : 構えていた木刀を振り上げ、切っ先を弾く

[メイン2] 坂田銀時 : 「なんの真似だ、こりゃ?刃物で遊んじゃいけませんって学校じゃ習わなかったか」

[メイン2] トガヒミコ : 「思ってた通り」
ニコリ、と笑顔で返す

[メイン2] 坂田銀時 : 「あーやだやだ、最近の若い子は大人の話聞かねえんだから。その辺にしとけ、今なら黙っててくれれば俺も言いふらさないから」

[メイン2] トガヒミコ : 「でもこんな危険な人、ほっとくわけにもいかないじゃない?」
それは建前
「だからさ、始末しちゃわないと…って、ねえ?」
それが本音

[メイン2] 坂田銀時 : 「どっちが危険だよ、つーか事故だっつってんだろ事故。あっちが勝手にケツを自分で掘ったのであって俺がやったわけじゃねえんだよ」
左足を半歩後ろへずらし、すぐに動けるように構え直す。

[メイン2] トガヒミコ : 「へ~どうだか」
どうでもいいけど

[メイン2] トガヒミコ : ナイフを投げ

[メイン2] トガヒミコ : 更にもう一つで飛び掛かる

[メイン2] 坂田銀時 : 飛んできたナイフを体をずらして回避しつつ、飛び掛かって来るトガを横にした木刀で受け止める

[メイン2] 坂田銀時 : 「オイオイ、いかんせんスキンシップが激しすぎるんじゃねえのか」

[メイン2] トガヒミコ : 「へ~!随分硬いんだね今の木刀って!こりゃ切れる気配無いよ!」

[メイン2] トガヒミコ : チチチチガキィン!
互いの剣が弾き宙返りして着地する

[メイン2] 坂田銀時 : 「この辺にしとけ、これ以上は加減したくても出来ねえぞ。そこまで子供にやさしくできる大人じゃねえんだ」
チッ、慣れてるな。どんだけ殺ってきやがったあのガキ…

[メイン2] 坂田銀時 : そう言いながら、先程のナイフの場所へと後ずさりする

[メイン2] トガヒミコ : 「傷つくなあ加減してたなんて…」
だけど確かにわかる、彼はまだ本気も出していない

[メイン2] トガヒミコ : 彼のあの目、最初は死んだ魚のような目だと思ってたけど
違う、あれはどう見ても…

[メイン2] トガヒミコ : 修羅の目だ

[メイン2] トガヒミコ : 「……フ…フフフ…」

[メイン2] 坂田銀時 : 「何がおかしい」
左手でナイフを回収し、見えないように後ろ手に隠し持つ。

[メイン2] 坂田銀時 : 「いや、そもそもテメーの頭がおかしいってことか?」
チャンスを見極め、一太刀で切り伏せる。じゃねえと…色々リスクがデカすぎる。そもそもここで戦うってのがまず論外なんだ

[メイン2] トガヒミコ : 「ああ、ゴメン」
いけない、いけないなあ
本当に楽しい

[メイン2] トガヒミコ : …本当はここいらへんで止めないといけないけど

[メイン2] トガヒミコ : 私が、私自身を抑えられない

[メイン2] トガヒミコ : 天井の照明を破壊し

[メイン2] トガヒミコ : 影の中に消える

[メイン2] 坂田銀時 : 「…っ、テメー!」

[メイン2] 坂田銀時 : 明かりを消すだと?何考えてやがる、クソっ、まだカンが戻っちゃいねーってのに!

[メイン2] トガヒミコ : ……勝負をかけるなら

[メイン2] トガヒミコ : ここしかない…!

[メイン2] トガヒミコ : 闇夜の一撃、投擲したナイフをカモフラージュに首を…!

[メイン2] 坂田銀時 : …そういうことか!

[メイン2] 坂田銀時 : カァン、と金属音が鳴り、飛んできたナイフが何かに弾かれる。

[メイン2] トガヒミコ : 「……!」
見えている!?この暗闇の中で!?

[メイン2] トガヒミコ : だけど懐には入った!今意識はあっちに…!

[メイン2] 坂田銀時 : 「バーカ」

[メイン2] 坂田銀時 : 影へと、木刀を上段から振り下ろす。
その左肩は、刺さったナイフによってついた傷から服が赤く染まる。

[メイン2] 坂田銀時 : 「弾いたのは、さっき持ってたナイフだ」

[メイン2] トガヒミコ : 「は!?」

[メイン2]   : ゴッ

[メイン2] トガヒミコ : …やっぱり間違いじゃなかった、あの匂い

[メイン2] トガヒミコ : かなり場慣れ…して…

[メイン2] トガヒミコ : ドサッ

[メイン2] 坂田銀時 : 「…だぁっ、クソったれ!ただでさえ急がなきゃなんねえってのに…!この騒動で絶対人が駆けつけてくるぞ!」

[メイン2] 坂田銀時 : 倒れ伏したトガを見ながら、左肩に刺さるナイフを抜き去る。

[メイン2] 坂田銀時 : 「どうする、考えろ、考え…!」

[メイン2] 坂田銀時 : 突如として閃く、逆転の発想。証拠を隠滅できないのなら、証拠を大量に増やしてしまえばいい。そのために…

[メイン2] 坂田銀時 : 「悪ぃ、まあ死なねえよな」
トガを抱え、窓から外へ放り捨てる。二階だけど、ま、木が生い茂ってるし死なねえだろ…

[メイン2] 坂田銀時 : で、だ。このナイフの指紋を拭き去って、ついでに地面に俺の血をばら撒いて、そんでこのメッセージを改ざんして更に砕く。こうすりゃ…

[メイン2]   : 『アボの反ス司っておいしいよね』

[メイン2] 坂田銀時 : 「……まあ、どうにかなるだろ。これで。よし、じゃああとはタンスの中の死体を」

[メイン2] 坂田銀時 : タンスを開く。そこには…

[メイン2] 坂田銀時 : 「…………………」
ジジイも女もいねえんだけど?

[メイン2] 坂田銀時 : 「ちょっと待てえええ!!!これどうすりゃいいんだよオオオオ!!!死体が蘇って出歩いてるじゃんかあああああ!!!」

[メイン2]   : ドタドタドタ、急いで階段を駆け上がって来る音が聞こえる。

[メイン2] 坂田銀時 : 「やっべやっべやっべやっべ…!このままじゃ疑われる、犯人どころか迷宮入りの謎の事件でずっと拘束される!え、えーっと、逃げ場は…!そうだ、外へ!悪く思うなよ!」

[メイン2] 坂田銀時 : 窓から飛び出す、そして思い出す。ここ、さっきあの女捨てた場所じゃね?

[メイン2] 坂田銀時 : バキ、グシャリ、木を切り倒しながら転落する。

[メイン2] トガヒミコ : 「う…う~ん頭ガンガンする~…」

[メイン2] トガヒミコ : 「……あっ」
上から…銀時が振ってきて

[メイン2] 坂田銀時 : 「…あっ」
落下しながら目が合う。笑う。まずい止まんねえ

[メイン2] トガヒミコ : 「あっやばっ…!?」
回避が間に合う…わけもなく!

[メイン2] トガヒミコ : ヒミコの頭と

[メイン2] 坂田銀時 : 俺の…坂田銀時の頭が、こう、まあ…ぶつかるわけよ

[メイン2] 坂田銀時 : ゴチーン、とかもう痛そうな音が周囲に響く。

[メイン2] トガヒミコ : 「ヘブッ!!」
ゴッ

[メイン2] トガヒミコ : 本日、二度目の気絶である

[メイン2] 坂田銀時 : 「い…っでぇ!クソっ、どんだけ石頭なんだこの女!」

[メイン2] 坂田銀時 : 近くの地面に落下し、尻餅を吐きながら愚痴が飛び出す。

[メイン2] トガヒミコ : しかし気絶してこそいるもののあれだけあって生きてるっぽい、しぶとい

[メイン2] 坂田銀時 : 「クソっ、このまま放置…するわけにもいかねえよなあ、これ。しかもここでこいつが消えて、俺はケガしてる。ってなったら疑われるの俺だよね」

[メイン2] 坂田銀時 : 仕方ねえなぁ、などと呟きつつ、背中に背負いながら玄関から入り直す。
「すいませーん、けが人2人なんで、医務室案内してくださーい」

[メイン2]   :

[メイン2] 坂田銀時 : 案内された場所で左肩に包帯を巻き、腫れた額を軽く冷やす。
ついでにあの女を寝かせてやる、なんで命狙ってきた相手を助けてんだろうなあ俺

[メイン2] 坂田銀時 : 「…そういや、向こうの方は今頃どうなってんのかねえ」

[メイン2] 坂田銀時 : ま、もうなんかどうでもよくなってきた。つーかマジであのケツ掘りジジイどこ行ったんだ?

[メイン2] 坂田銀時 : 頭を悩ませながら、とりあえず事態が動くまではふて寝することにした。

[メイン2] 坂田銀時 :

[メイン2] 坂田銀時 :

[メイン2] 坂田銀時 : 「ゲーッホゲホッ!あちーしおめーし体汚れるし最悪だぜ!」

[メイン2] 坂田銀時 : 瓦礫を強引に木刀で砕き、吹き飛ばしながら瓦礫の山から出てくる。

[メイン2] 坂田銀時 : 「あー…慣れねえことするもんじゃねえな、ったく…」

[メイン2] 坂田銀時 : あのダガー、まあ十中八九執事の遺品だろ、うまいことあのお嬢様に届いてりゃいいが

[メイン2] 坂田銀時 : 「つーかあのおっさんどもはなんだったんだよ、ケツに色々刺さったままずっと気絶してたし、というか一回いなくなってたし」

[メイン2] 坂田銀時 : 溜め息をつきつつあたりを見回す。…見事なまでに屋敷燃え尽きてら、残骸しかねえ

[メイン2] 坂田銀時 : 「とりあえず脱出するか…確か……………」
「やべぇ、どっち行けば良いのか忘れた」

[メイン2] 坂田銀時 : 「…」
まあどうにかなるだろ、適当に地面に棒をさし、倒れた方向へと向かうことにした。

[メイン2] 坂田銀時 : 「よし!こんな島にいられるか!俺は帰らせてもらうぜ!」
勢いよく走り出し、脱出路とは反対側、崖の上へと飛び出す!

[メイン2] 坂田銀時 : 「へ?」
足が空をきる。下を見る。岩肌と海が見える。

[メイン2] 坂田銀時 : 「あああーーーーーー!!!なんでこうなるのーーーー!!!」

[メイン2]   : バシャーン…ザザーン…ザザーン…

[メイン2]   :